市民開発者.com:市民開発者の養成、普及、浸透を目指すWebサイト

前回の記事(市民開発者.com始動!)でご紹介に預かりましたが(何かの間違いで)ご縁もあって当ウェブサイトを運営することになりましたので、まずは読者の皆さまに市民開発者.comについて知っていただくことから活動を始めようと思います。

“.com” と名付けられているのにドメインが “.com” でないことにはツッコまないでください。そういう仕様です。

sumida
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問題意識:市民開発(者)の認知

当サイトは、①市民開発者として学習する人々、②市民開発者として活躍している人々、そして、③市民開発者の育成事業に携わっている人々をバックアップし、DX 1 を推進しようという3つの基本理念の下で誕生しました。

近年、そのDXに欠かせない人材として期待されているのが市民開発者 2 と呼ばれる「開発もできる業務のプロ」であり、その数も数年前と比べると増員傾向にあります。書店に並ぶ関連書籍やインターネットにおける関連の記事も増え、動画サイトによる講義やLIVEイベントによる啓蒙も毎週のように開かれ、さらには各開発ツールもほとんど毎週のように新機能が追加されたり、使いやすさが向上したりしています。体感に過ぎませんが、こういった動向から、何もかもが手探り状態だった頃と比べると「市民開発(者)の需要は上昇している」と考えることが妥当です。

ところが、この「増えている」や「盛り上がっている」という感覚は、既に市民開発に携わっている人々のものであり、実際のところ、市民開発(者)の認知度は低いのでは…という疑問を抱いています。というのも、筆者自身も実際にPower Platform 3 と呼ばれるローコード・ツールに触れるまでは「市民開発(者)」の語を知りませんでしたし、同じ時期に勉強を始めた方々も異口同音に「知らなかった」と述べているからです。

もちろん、自分の周囲にいる人々が知らないというだけで「認知度が低い!」などと乱暴な結論を導いたわけではありませんが、ある程度のコンピュータ言語の知識とマウス操作で様々なアプリをサクサク作れるような時代になっていることに驚く人は決して少なくないはずです。

そして、その認知度の低さに伴う形で、既に独学でローコード・ノーコード開発ツールを扱えるようになった市民開発者の活躍の場が必要十分に提供されていなかったり、未来の市民開発者たちが学習するための機会提供や資金援助が不十分であったりすることが課題であると考えています。

筆者自身の前職での体験談に過ぎませんが、組織(社会)には、そこで働く特定個人の努力、善意、そして厚意といった情に甘んじている部分があるような気がしています。例えば、Excel VBAによるマクロを1つ取ってみても、日頃の業務に追われながらであったり休日を利用したりするなど、ある種の犠牲があって支えられています。反対に、がんばっても報われないから他者にスキルを共有したくない人々も少なからず存在するはずです。好きで仕事をしている人も、生活のために仕方なく仕事をしている人も、組織に貢献している以上は何かしらの報酬があっても良さそうなものです。

一方、経営陣側にも「なんとかしたい」という前向きな気持ちがあるものの、他社(の導入実績)を見た上で検討したいと考えたり、機密情報漏洩を懸念したり、そもそも業務内容を正確に把握できていなかったり、古くからの慣習や風習が残る組織との仕事で実現しにくかったりといった、一種の「島国気質」とも換言できる網に引っかかって出遅れています。

その網にかからないようにするためには、彼らの抱える不安や疑問を取り除いてあげることが先決であると考えています。他社の導入実績と比べるのではなく、特定業務においてどれほどの改善が見込めるのかを可視化したり、セキュリティも(業務担当者が開発を行うという意味において)心配の必要がないことであったり、変化することを面倒がらないことであったり新しい風を取り入れることを心がけることであったりすることが大切です。

以上の問題意識から「市民開発者がどんなスキルを有している人材」で「これからの時代でなぜ必要とされるのか」といったことが世の中に広く浸透することで、市民開発者養成を目的とした研修を設置する組織や就職支援を促進する都道府県(自治体)が増え、それに雷同する形で興味を持っていただける方も増え、これらが取りも直さず、より皆さまの活躍の場の増加という形で現れるのではないかと考え、当Webサイト「市民開発者.com」は誕生しました。

記事の更新頻度は不定期なのでTwitterでお知らせします

sumida
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市民開発者として学習する方々へ

上で偉そうなことを言っていますが、2022年5月現在、筆者自身もその学習者としてまだ数ヶ月のもので、まだまだ「私は市民開発者です」などと言えないようなレベルです。同じように市民開発(者)という言葉を知って勉強を始めたばかりのエンジニアではない方々も、すでに市民開発者として活躍されている先輩方も、きっと、その実力をさらに向上させるために努力を積み重ねていることと存じます。そんな皆さまに「情報共有」という形で貢献し、励まし合い、一緒に学習を楽しめたらと考えています。

記事として紹介したい学習記録、イベントに参加した感想文、あるいは思いついたことなどがありましたら、お問い合わせフォームよりその旨をご連絡ください。ワードファイルかテキストファイル(HTML可)を送信できるように対応いたします(ただし、見出し等の修正はこちらで行います)

市民開発者として活躍する方々へ

既に市民開発者として活躍されている方々におかれましては、当Webサイトを「憩いの場」や「話のネタ探し」あるいは「情報発信の場」としてご活用いただければと考えています。具体的には、学習内容や導入事例の共有という名目でブログ記事を寄稿していただけたらと考えております。なお、既にホームページ等の発信の場をお持ちの際は、該当記事のURLを当Webサイトに共有する形で原稿をお寄せください。検索にも引っかかりやすくなるでしょうし、記事を一箇所に集中させることによって、最終的には市民開発者のポータルサイトにでもなれば…と目論んでいます。

お問い合わせフォームよりその旨をご連絡いただけますと「寄稿者」の権限を付与いたします。WordPressの操作に不安がある場合、その申し出があればワードファイルかテキストファイル(HTML可)を送信できるように対応いたします(ただし、見出し等の修正はこちらで行います)

市民開発者を育成している方々へ

市民開発者を育成している方々におかれましても、講義内容や学習内容の共有という名目でブログ記事を寄稿していただけたらと考えております。ご自身のホームページで共有されたコンテンツと重複しても構いませんし、ご自身のホームページのコンテンツ内容としては扱いにくいと感じたものなどを当ウェブサイトで発信していただけたらと思います。

いずれにせよ有事の際は、お問い合わせフォームよりその旨をご連絡いただけますと、権限の付与、あるいはワードファイルかテキストファイル(HTML可)を送信できるようにも対応いたします(ただし、見出し等の修正はこちらで行います)

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    go yoshida
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    隅田智尋

    1. Digital Transformation (デジタル・トランスフォーメーション)の省略語。主に、デジタル技術を浸透させることによって人類の暮らしをより良く変革することを指す。 “transformation” の直訳である「変換」というよりも、人々の意識を根底から覆すような「変革」が鍵らしい。筆者も感心してしまったのだが、DXの “X” は「交差」を意味する当て字。 “DT” の略称では別のIT用語やプログラミング用語と重複して理解しにくいため “DX” と省略された経緯がある。
    2. ビジネスにおいて最適なシステムを提案し、開発を行う人。ビジネスの目標を完全に理解し、それに基づき必要なシステムやサービスを提案し、作り上げていく開発者を指す。専任技能の不足をローコード・ノーコードツールを駆使する人が多い。現場を知る業務担当者がアプリを作成することで開発コストを抑えられたり、業務の自動化に際して外注が必要かを判断したり、必要最小限のコミュニケーションで効率的に業務アプリの開発ができたりすることなどから注目を浴びている。
    3. Microsoftが提供する開発ツール(Power Apps, Power Automate [Desktop], Power BI, Power Virtual Agents, Data Verse)の総称。エンジニアではない事業部に所属する者が自らアプリケーションを開発したり、ワークフローの自動化処理システムを構築したり、ビッグデータ解析を実行したりできる。
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